qasr al muwaiji

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「壁に耳あり」という昔からのことわざがあります。100年以上の歴史を見守ってきたカスル・アル・ムワイジ(Qasr Al Muwaiji)。その壁がもし話せたら、どのような過去の物語を私たちに伝えてくれるのでしょうか。首長国の奥深い歴史を紐解くために、この歴史的な名所を旅の行程に加えてみてはいかがでしょう。アブダビからわずか1時間半、緑豊かなガーデンシティ・アル・アインに佇む歴史的建造物。シンプルながらも印象的な建築物に足を踏み入れると、この国がどのように発展してきたのかを実感できるでしょう。

シェイク・ザイード・ビン・ハリーファ1世(在位1855-1909)と息子のシェイク・ハリーファ・ビン・ザイード・アール・ナヒヤーンの時代に築かれたカスル・アル・ムワイジ・アル・アイン。その壮麗な廊下には、かつてアール・ナヒヤーン統治者一族の声が響いていました。特徴的な四角い囲い、堂々とそびえる角塔、そして壮麗なエントランス。この建築は当時から目を引く存在であり、その圧倒的な魅力は今日まで受け継がれています。

故シェイク・ザイード・ビン・スルタン・アール・ナヒヤーン(首長国建国の父)が1946年にアル・アイン地域の統治代表となったことで、この宮殿は彼の住居と行政の拠点としての重要な役割を果たすようになりました。首長国の元大統領であり、アブダビの統治者だった故H.H.シェイク・ハリーファ・ビン・ザイード・アール・ナヒヤーンは、その2年後にカスル・アル・ムワイジで誕生し、歴史あるこの地で幼少期を過ごしながら、父の教えを受け継ぎました。

シェイク・ザイード・ビン・スルタン・アール・ナヒヤーンの卓越した統治のもと、この要塞は政府の議論、公式訪問の対応、重要な意思決定の場としての機能を強化し、それに伴い数々の美しい改修と拡張を実施しました。また、新たなディワーン(行政機関)や厨房の建設、宿泊施設の拡充を進め、さらに要塞内のモスクの規模を拡大し、その宗教的・文化的な役割を強化しました。その理由とは? カスル・アル・ムワイジは、地域の人々が集まって祈りやお祝いをする大切な場所として、ますます重要になっていたからです。要塞の保全と維持に対する彼の尽力により、2011年にユネスコ世界遺産に認定されました

歴史の中での変化

1966年、シェイク・ザイード・ビン・スルタン・アール・ナヒヤーンがアブダビの統治者となると、彼とその息子である故H.H.シェイク・ハリーファ・ビン・ザイード・アール・ナヒヤーン(首長国元大統領)は、新たな未来を築くために拠点をアブダビへと移しました。1970年代から、カスル・アル・ムワイジの貴重な文化遺産を未来へ受け継ぐため、段階的な修復作業が進められました。この大規模な再生プロジェクトにより、カスル・アル・ムワイジはアル・アインの象徴的な公共スペースとしての地位をより確固たるものとしました。伝統と革新が交差する空間、カスル・アル・ムワイジ博物館。その中庭に設けられたガラス張りのモダンな展示ホールから、特別なツアーを始めてみましょう。この展示では、カスル・アル・ムワイジと深い関わりを持つアブダビ統治者一族の歴史を、年代ごとに詳しくご紹介しています。

要塞の入場は無料で、事前予約により無料のガイドツアーにもご参加いただけます。ツアーをより楽しくために、ガイドがどの部分が比較的新しいかをご説明いたします。

歴史の中での変化

シェイク・ハリーファの幼少期のエピソードから、国家の発展に尽力した功績まで、貴重な口述記録を通じて学びながら、歴史と伝統の奥深さを感じてみてください。カスル・アル・ムワイジの歴史が、初期の考古学的発見から現代の建築・文化へとどのように継承されてきたのか、その軌跡をたどることができます。こうした貴重な資料が首長国の文化や歴史を世界の旅行者や住民に伝えています。

現在は博物館となったこの施設では、この文化遺産の精神を讃えるインタラクティブなプログラムやパフォーマンスが時折催されています。これにより、シェイク・ザイード・ビン・スルタン・アール・ナヒヤーンの願い通り、カスル・アル・ムワイジは何十年にもわたって、人々が集まり、祝う特別な場所として受け継がれています。

アル・ムワイジ・オアシス

アル・アインで最も小さなオアシスのひとつ、アル・ムワイジ・オアシスには、21,000本のヤシの木が立ち並び、今なお機能する伝統的なファラジ(古代の灌漑システム)が息づいています。ファラジは、地上と地下の水路を巧みに活用し、近隣の山々からオアシスへと豊かな水をもたらします。ツアーでは、時代を超えて受け継がれたこの伝統的な灌漑システムの重要性を深く理解し、アル・アインとそのオアシスにとって重要である理由も学べます。

アル・ムワイジ・オアシス
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カスル・アル・ムワイジに関するよくある質問

アラブ首長国前大統領兼アブダビ首長の故ハリファ・ビン・ザイド・ナヒヤン殿下がカスル・アル・ムワイジでお生まれになりました。

カスル・アル・ムワイジは20世紀初頭に、シェイク・ザイード・ビン・ハリーファ1世(在位1855-1909)と息子であるシェイク・ハリーファ・ビン・ザイード・アール・ナヒヤーンの治世下で建設されました。

カスル・アル・ムワイジは100年以上前に建てられました。

幼き日のシェイク・ザイード・ビン・スルタン・アール・ナヒヤーンは、アブダビのカスル・アル・ホスンで遊び、青年期の大半はアル・アインで過ごしました。